『沈丁の香りをのせて風素直なる』
嶋田一歩
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『刻(とき)経るにつれてさびしや著莪の花』
(鈴木真砂女)
『ひと言を温めてゐる小春かな』
(島田藤江)
葉っぱをおとした。
冬の木はいい。
裸の木々のすがたはいい。
ごつごつした古い木などは特にいい。
硬くて落ちついていて実にいい。
霜柱にかこまれて。
寒さのなかにたっている。
裸の木々の美しさ。
木々や幹のなかを。
力が流れているような気がする。
夢がいっぱいつまっているような気がする。
白い炎が燃えているような気がする。
(草野心平)